古くから日本各地で生産されてきたしょうゆは、それぞれの地域の嗜好や醸造の歴史などにより、さまざまな個性を持っています。その種類は、日本農林規格(JAS)によって、こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろの5つに分類されています。
全国のしょうゆ消費量の約82%を占める、最も一般的なしょうゆ。塩味のほかに、深いうま味、まろやかな甘味、さわやかな酸味、味をひきしめる苦味を合わせ持っています。調理用、卓上用のどちらにも幅広く使える万能調味料です。
関西で生まれた色の淡いしょうゆで、全生産量の約15%を占めています。発酵と熟成をゆるやかにさせるため、食塩をこいくちより約1割多く使用。素材の持ち味を生かすために、色や香りを抑えたしょうゆです。炊きあわせやふくめ煮など、素材の色や風味を生かして仕上げる調理に使われます。
主に中部地方で作られるしょうゆ。とろみと濃厚な旨味、独特な香りが特徴。古くから「刺身たまり」と呼ばれるように、寿司、刺身などの卓上用に使われるほか、加熱するときれいな赤身が出るため、照り焼きなどの調理用や、佃煮、せんべいなどの加工用にも使われます。
山口県を中心に山陰から九州地方にかけての特産しょうゆ。他のしょうゆは麹を食塩水で仕込むのに対ししょうゆで仕込むため、「さいしこみ」と呼ばれています。色、味、香りともに濃厚で、別名「甘露しょうゆ」とも言われ、刺身、寿司、冷奴など、おもに卓上でのつけ・かけ用に使われています。
愛知県碧南地方で生まれ、うすくちよりもさらに淡い琥珀色のしょうゆ。味は淡泊ながら甘味が強く、独特の香りがあります。色の薄さと香りを生かした吸い物や、茶わん蒸しなどの料理のほか、せんべい、漬物などにも使用されます。
しょうゆは他の調味料とあわせることで、新たなおいしさを生み出すことができます。ここにあげたしょうゆベースのつゆやたれをマスターすれば、料理の幅がぐんと広がります。
しょうゆをベースとした調味料は、手軽に本格的な味が得られる調味料として大変便利な存在であることから、商品として多く販売されています。JASの規格ではしょうゆには入りませんが、しょうゆの仲間として主なものをご紹介します。
しょうゆにあらかじめかつお節、昆布などのうま味成分を合わせた簡便な調味料です。だししょうゆは、昆布しょうゆ、土佐しょうゆなどの名称で商品化され、つけ・かけ用から調理用まで幅広く使われています。
しょうゆに、ミリン、砂糖、だし、うまみ調味料などを合わせたもので、めん類専用のつゆから、煮物、鍋物、天つゆなどにも使える汎用性の高いつゆまで、豊富に商品化されています。
しょうゆに、風味原料や糖類、香辛料などを合わせ、調整したもの。しょうゆの色や香りが決め手になる蒲焼き、照り焼き、焼き鳥用のたれから、各種焼肉のたれ、すき焼きの割り下など、多種多様です。
しょうゆと醸造酢をあわせたものから、だいだい、すだち、かぼすなど、香りの高い柑橘類の果汁を加えたもの、さらにだしのうま味をきかせたものまで、幅広く作られています。
フレンチドレッシングにしょうゆを加え、和風の味に仕立てたドレッシング。広く食卓で愛用されています。